稲穂祭 きつねの嫁入り ―2024年11月3日(日・祝)開催
花岡稲荷ときつねの嫁入り
花岡の上市にある法静寺の住職は、徳の高い人として知られ、人びとにしたわれていた。享保九年(1724)のある日、徳山へ出かけたが、帰りは日が暮れてしまった。遠石から久米に出て、坂を越えると、寺のある上市はすぐそこであった。ここまで来て、住職は自分の手に数珠がないのに気づいた。探してみたが、道は暗く遂に発見できなかった。 仕方なく寺に帰って床に就いたが、失った数珠のことが気になり、なかなか寝つかれなかった。それでもいつの間にか、うとうとしていた。 住職の枕許へ何かが立って 「私たちは、わけあってしらむが森に死んでいる夫婦の白キツネです。今晩、数珠を届けに参りました。その代わり、私たちの遺体を人様と同じように、このお寺に引きとって下さい。そうして下されば、お寺や里の人びとを災難から守ることをお約束します」 という声を聞いて目が覚めた。驚いたことに無くした筈の数珠が枕許にあるではないか。住職は、すぐに白キツネの遺体を引きとって、人間同様に手厚く葬り、供養をしてやった。それ以後、失せ物、たずね物が見つかるという霊験があらたかで、この寺に参る人が増えていったという。 この夫婦キツネは、福徳稲荷として法静寺の境内に祭られ、毎年十一月三日の「稲穂祭」には遠近より多くの参詣者があり、戦後「きつねの嫁入り」行列が行われるようになって、更に有名になった。この行列に参加すると良縁が得られるといわれ、若い未婚女性の人気を集めている。また春の初午祭にも多くの参拝者がある。「第74回」稲穂祭 きつねの嫁入り 2023年11月3日の様子
2023年11月3日、秋晴れのもと下松の奇祭、福徳稲穂祭り「きつねの嫁入り」が開催され、沿道には新郎新婦の華やかな姿を一目見ようと、見物客やカメラマンなど約38,000人の人手で賑わいました。また、下松市観光ボランティアガイドの会では、花岡八幡宮の無料ガイドを実施し、普段は一般公開されていない「破邪の御太刀」や「絵馬」など、見学していただきました。
基本情報
■日時 | 2024年11月3日(日・祝) |
■場所 | 旧山陽道花岡界隈(山口県下松市花岡地区) |
■内容 | 五穀豊穣感謝、きつねの嫁入り |
■アクセス | 花岡駅から徒歩で10分 |
■お問合せ | 花岡福徳稲荷社 TEL 0833-43-4500 |